
ギャンラインは「安値から45度の線を引く手法」だと思っていました。それなら簡単そうですが、チャートを縦や横に伸ばすだけで線の見た目は変わります。
調べてみると、大切なのは画面上の角度ではありませんでした。ギャンラインは、価格が何円進む間に、時間が何日・何週間進んだかという比率を斜め線で表す方法です。
本来のギャンファンには9本の線があります。ただ、最初から全部を見ると混乱しそうです。今回は2×1・1×1・1×2の3本だけを使い、値動きのペースを整理します。
今回学び直して分かった3つ
- 中心になる1×1線は、1価格単位と1時間単位の釣り合いを表す
- 見た目の45度ではなく、価格と時間の目盛りを決めてから引く
- 1本を抜けたら次の角度を確認するが、到達を保証する線ではない
ギャンラインは何を見る?
ギャンラインは、価格と時間の関係を一定の比率で表した斜め線です。複数のギャンラインを扇状に広げたものは、ギャンファンと呼ばれます。
上昇トレンドでは目立つ安値から右上へ、下降トレンドでは目立つ高値から右下へ引きます。価格がどの線の上側・下側にいるかを見て、トレンドの勢いを整理します。
中心になるのが1×1線です。「1時間単位が進む間に、1価格単位が進む」という基準を表します。ここでいう時間単位は1日や1週間、価格単位は1円や10円など、先に決めた目盛りです。
2×1・1×1・1×2は何が違う?

2×1線は、1時間単位で2価格単位進む急な線です。上昇中にこの線より上で推移していれば、基準より速いペースと考えます。
1×1線は、価格と時間が1対1で進む基準線です。1×2線は、2時間単位で1価格単位進む緩やかな線です。
本来は4×1や1×4なども含めて9本あります。ただ、線を増やすほどどれかに触れやすくなります。初心者のうちは3本に絞り、どのペースからどのペースへ移ったかを見る方が分かりやすそうです。
見た目が45度なら1×1線?

1×1線は45度線とも呼ばれます。ただし、それは価格軸と時間軸が適切な比率で表示されている場合の見え方です。
同じ45度に見えても、縦1目盛りが10円のチャートと100円のチャートでは、線が表す値動きが違います。チャートの縦横を伸縮すると見た目の角度も変わります。
そのため「だいたい45度」に線を置くのではなく、チャート機能のギャンファンを使い、価格と時間の比率を確認します。時間軸や対数・通常表示を途中で変えた場合も、設定を見直します。
ここが一番の注意点
- 見た目の角度だけで線を引かない
- 日足か週足か、時間単位を先に決める
- 価格単位の設定を銘柄ごとに記録する
ギャンラインはどう引く?
上昇相場では、まず上昇が始まった目立つ安値を起点にします。次に、同じ時間軸で確認できる別の重要な安値を使い、1時間単位あたりの価格変化を決めます。
たとえば週足で、14週間の間に安値が140円切り上がったなら、1週間あたり10円を基準の価格単位にする考え方です。起点から1×1線を引き、その2倍の傾きが2×1線、半分の傾きが1×2線になります。
ただし、どの2点を基準にするかで線は変わります。反発してほしい位置へ合うよう比率を変えず、起点の日付、基準にした安値・高値、1時間あたりの価格単位を残します。
上昇と下降ではどう使う?
上昇トレンドでは、価格が2×1線より上なら速い上昇、1×1線付近なら基準のペース、1×2線へ近づけば上昇が緩やかになった可能性を考えます。
下降トレンドでは、高値を起点に右下へ引きます。価格が線の下側にある間は下降の勢いを確認し、上抜いた場合は一つ上の角度を戻りの候補として見ます。
下降時の線は、空売りを急ぐためではありません。新規買いを見送る判断や、保有株の戻りがどこで止まりやすいかを確認する材料にもできます。
1本を抜けたら次の線まで進む?

上昇中に2×1線を割ったら、速いペースを維持できなくなった可能性を考えます。次は1×1線、その次は1×2線が反応を確認する候補です。
ただし、1本を割ったから必ず次の線まで下がるわけではありません。ヒゲだけの一時的なブレイクもあります。終値でも下回ったか、安値が切り下がったか、その状態が続いたかを確かめます。
線を明確に割っても、別の支持線や移動平均線で止まることがあります。ギャンラインだけで損切りや全売却を決めず、複数の根拠を組み合わせます。
初心者がギャンラインでやりがちな5つの間違い
- 画面上の45度へ線を合わせる
価格と時間の目盛りを確認し、比率で引きます。 - 最初から9本すべてを表示する
まず2×1・1×1・1×2の3本に絞ります。 - 反応に合わせて価格単位を変える
使った起点と1時間あたりの価格単位を記録します。 - 線へ触れただけで売買する
終値、ローソク足、高値・安値の変化を待ちます。 - 時間軸や表示倍率を途中で変える
日足・週足、通常・対数表示を固定して検証します。
私がやりそうなのは、線が合わないたびに価格単位を少しずつ変えることです。それでは後から答えを合わせられてしまいます。最初に設定を残し、そのまま先の値動きを確認します。
実例チャートで本当にそう見えるか
三菱重工業(7011)の週足で、2023年7月3日〜2024年4月26日を振り返ります。株価は株式分割調整後の値です。

起点は2023年7月21日の安値626.4円です。10月27日の安値755.0円まで14週間で128.6円切り上がったため、1週間あたり約9.19円を1×1線の価格単位にしました。
12月22日の1×2線は約727.4円で、週安値は745.2円でした。差は約2.4%です。2024年1月12日の1×1線は約856.0円で、週安値は854.8円でした。
4月12日の2×1線は約1,324.5円で、週安値は1,326.0円でした。緩やかな線から基準線、急な線へ移ったように見えますが、この価格単位は過去の2つの安値から決めたものです。将来も同じ反応が続く証明ではありません。
実例チャートについて
TradingViewの三菱重工業(7011)週足を表示し、当ブログで3本のギャンラインを描画した公式スナップショットです。表示期間は2023年7月3日〜2024年4月26日です。
今回学び直して分かったこと
- ギャンラインは、価格と時間の進み方を斜め線で表します。
- 1×1線は、1価格単位と1時間単位の基準線です。
- 2×1線は急なペース、1×2線は緩やかなペースを表します。
- 画面上の45度ではなく、価格と時間の比率を確認します。
- 1本を抜けても、次の線への到達が決まるわけではありません。
- 起点と価格単位を記録し、後から都合よく変えません。
- 終値、ローソク足、支持線・抵抗線などと組み合わせます。
ギャンラインは、これまでの手法より設定の影響が大きいと感じました。私はまず週足で3本だけを使い、「線が当たったか」より、どのペースからどのペースへ変わったかを記録していきます。
さらに体系的に学びたい人へ
参考書籍
『マーケットのテクニカル分析』
ジョン・J・マーフィー著/パンローリング
ISBN 978-4-7759-7226-7
トレンドライン、ファンライン、ギャン理論などを体系的に学びたい人向けの一冊です。
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参考資料
- John J. Murphy, Technical Analysis of the Financial Markets/日本語版『マーケットのテクニカル分析』
- TradingView「Gann Fan」公式ヘルプ
※この記事は学習内容を整理したもので、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。各ラインでの反発やトレンド継続を保証せず、起点と価格・時間の比率設定には判断が含まれます。投資前に最新情報を確認し、最終判断はご自身でお願いします。
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