オルタナの利回り4%に注意?「元本払戻金」と金利上昇まで調べたら品川案件に迷い始めた

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これまで何度かこのブログで取り上げてきた、三井物産グループの資産運用サービス「ALTERNA(オルタナ)」。

最初は「これって怪しくない?」と疑いながら口座を開設。その後、想定利回り4.3%の「銀座」に初めて申し込んだものの、申込超過で落選しました。

次に検討した「イオン大宮」は想定利回り3.4%。数年間資金が拘束されることを考えると、自分としては少し物足りなく感じて見送りました。

つまり、オルタナについて何度も記事を書いているのに、実はまだ一度も投資できていません。

そんな中、かなり気になる案件が出てきました。

「三井物産グループのデジタル証券 ~品川・オフィス&ホテル~」

  • 最低投資額:10万円
  • 想定利回り:年4.0%
  • 運用期間:約5年
  • 投資対象:品川シーサイドイーストタワー

「これなら10万円申し込んでみようかな」。最初はかなり前向きでした。

ところが、申し込む前にちゃんと調べてみると、「そもそも、この4%って本当に利益が4%出るという意味なの?」というところから疑問が出てきました。

さらに調べていくと、元本払戻金、5年後の物件売却価格、そしてこれからの金利上昇。思っていたより考えることが多い。

仮申込期限は2026年8月20日13時。この記事を書いている2026年8月19日時点で、残り約1日です。正直、まだ申し込むか迷っています。

オルタナの品川・オフィス&ホテル案件ページ。最低投資額10万円、想定利回り4.0%、運用期間5年
今回検討している「品川・オフィス&ホテル」。想定利回り4.0%、最低10万円から投資できます(2026年8月19日撮影)。

そもそもオルタナの「想定利回り4%」とは?

自分は最初、かなり単純に考えていました。

10万円を投資して年4%なら、年間4,000円。5年間なら、

4,000円 × 5年 = 2万円

つまり「10万円を投資し、5年間で約2万円の利益を受け取り、最後に10万円が戻ってくる」。そんなイメージです。

ところが、今回の案件ページをよく読むと違いました。オルタナが表示している4.0%は、第1期・第2期の税引前予想分配金利回りの平均値です。

そして重要なのが、予想分配金には「元本払戻金(利益超過分配)」が含まれているということ。

想定利回り4%を、そのまま「不動産運用で純粋な利益が年4%出る」と受け取るのは違います。

200円の分配金のうち67円が「元本払戻金」

今回の案件には、かなり具体的な数字も載っています。

  • 第1期:1口1万円当たり200円(うち元本払戻金67円)
  • 第2期:1口1万円当たり200円(うち元本払戻金57円)
1口当たり予想分配金200円と元本払戻金67円、57円の内訳
第1期の予想分配金200円のうち67円、第2期は57円が元本払戻金となっています。

10万円なら10口なので、第1期を単純に10倍すると、予想分配金は2,000円。そのうち元本払戻金は670円です。

200円のうち67円。結構入っているな、というのが自分の第一印象でした。

元本を返して「利回り4%」は、タコ足分配と同じ?

ここで思ったのが、「これって、毎月分配型の投資信託でよく聞くタコ足分配と似てない?」ということです。

自分のお金が返ってきている部分まで含めて「分配金」と表示されるなら、それを全部利益と考えることはできません。今回のオルタナも、

予想分配金 = 利益分配 + 元本払戻金

という構成です。

調べると、単純に「運用不振を隠す分配」とは言い切れなかった

ここはオルタナの公式解説も確認しました。元本払戻金の主な原資として説明されているのが、不動産の減価償却費やファンド初期費用の償却費など、会計上は費用でも、その期に現金支出を伴わない部分です。

例えば、かなり単純化して、家賃などの収入が500万円、実際に現金で支払った経費が200万円、減価償却費が100万円だったとします。

会計上の利益は「500万円-200万円-100万円=200万円」です。しかし、減価償却費100万円は、その年に100万円の現金が出ていったわけではありません。キャッシュとしては「500万円-200万円=300万円」が残ります。

その現金の一部を、最後の償還までファンド内に置くのではなく、運用中に前倒しで返すのが元本払戻金という説明です。

そのため、「運用で全く稼げていないのに、元本を取り崩して高配当を演出している」と直ちに断定するのも違うようです。

ただし、自分にとって大事なのはここ。

想定利回り4%を、そのまま「純粋な利益が年4%」と考えてはいけない。

元本払戻金が発生すると税務上の取得価額が調整され、みなし譲渡損益が計算される場合もあります。申し込む前に知っておいてよかったです。

では、10万円は5年後にいくらになる?

次に気になったのがこれです。今回の運用期間は約5年。結局、10万円が5年後にいくらになるのか。

案件ページには、100万円を出資した場合の収益イメージが掲載されています。

100万円を出資した場合の物件売却価格と合計分配金の収益イメージ
オルタナ公式の収益イメージ。運用中の分配金だけでなく、最後の物件売却価格によって最終的な受取額が変わります。

この図は、募集時点の第1期・第2期の予想利回りが、その後も毎期続いたと仮定したイメージです。100万円出資したケースでは、運用中分配金を合計20万円と置いています。

  • 償還金110万円なら、合計130万円
  • 償還金105万円なら、合計125万円
  • 償還金95万円なら、合計115万円
  • 償還金90万円なら、合計110万円

もちろん、分配金20万円も償還金も保証された数字ではありません。それでも、この図を見てオルタナという商品の見方がかなり変わりました。

重要なのは「4%」だけではない。運用中にどれだけ分配され、最後に物件がいくらで売れるのか。ここまで含めて投資結果が決まります。

だったら「5年後にも価値がありそうな物件」を選びたい

ここまで理解すると、以前の自分がオルタナの案件を想定利回り中心に見ていたことにも、少し違和感が出てきました。

  • 3.1%だから見送る
  • 銀座4.3%なら申し込む
  • イオン大宮3.4%なら見送る

利回りも重要です。でも約5年間持つなら、「5年後にもこの物件を欲しいと思う人がいるのか?」という視点もかなり重要なのではないかと思います。

今回の物件は「品川シーサイドイーストタワー」

物件名品川シーサイドイーストタワー
所在地東京都品川区東品川四丁目12-8
用途オフィス・ホテルなどの複合物件
テナント数21社
ホテル客室数300室
建築時期2004年8月
鑑定評価額424億円(2026年6月30日時点)

オフィス部分には上場企業とそのグループ会社が入居し、ホテル部分は「ロワジールホテル 品川シーサイド」として運営されています。

東京のオフィス市況は現在かなり強い

案件ページに掲載されているジョーンズ ラング ラサールのデータを見ると、東京Aグレードビルの空室率は2023年以降低下し、2026年第1四半期は0.7%。一方、賃料は上昇しています。

東京Aグレードビルの空室率と賃料の推移
案件ページに掲載されている東京Aグレードオフィスの空室率・賃料推移。足元では空室率が低下し、賃料は上昇しています。将来の賃料上昇を保証するデータではありません。

空室が少なくなり、賃料が上がっている。不動産を保有する側から見ればプラス材料です。

上場企業中心。ただし大口テナントへの集中もある

オフィス部分のテナントは、上場企業およびそのグループ会社で構成されています。

品川シーサイドイーストタワーのテナント別賃貸面積割合
オフィス部分のテナントは上場企業・そのグループ会社で構成されています。一方、上位5テナントで82.8%を占める点は確認しておきたいところです。

信用力のある企業が入居しているのは魅力的です。ただし、上位5テナントだけで賃貸面積の82.8%を占めています。

優良テナントだから安心、とだけ考えるのではなく、特定の大口テナントへの依存度が高いことも頭に入れておきたいところです。

賃料にも上昇余地がある?

案件ページでは、オフィス部分の平均賃料単価は上昇基調にあり、2026年7月時点の平均賃料はマーケット賃料の中央値より5.8%低いと説明されています。

オフィス部分の平均賃料単価とマーケット賃料の比較
案件ページでは、周辺マーケットとの比較から賃料増額余地についても説明されています。将来の賃料上昇を保証するものではありません。

ここまで見ると、「やっぱり品川なら10万円くらい入れてみてもいいかな」という気持ちになります。

今後さらに金利が上がったらどうなる?

ところが、ここで別の問題が気になってきました。今回の運用期間は約5年です。

日銀の田村直樹審議委員は2026年6月25日の講演で、中立金利について「2%前後の領域」との個人的な見方を示しました。さらに、経済・物価・金融情勢を確認することを大前提として、2%に向けて数か月に一度0.25%ずつ利上げしていくイメージにも言及しています。

これは田村審議委員個人の見方であり、政策金利が2%になると決まったわけではありません。まして、どのペースで利上げするかが確定した話でもありません。

ただ、5年間という期間を考えるなら、今より金利が高くなる可能性は無視できなさそうです。

この案件の借入は「日本円TIBOR基準の変動金利」

目論見書を確認すると、今回の案件は借入予定額252億9,000万円、LTV59.6%。借入金利は日本円TIBORを基準とする変動金利と記載されています。

つまり金利上昇は、一般論だけではありません。借入の基準金利が上がれば、実際にこのファンドの利払い負担が増え、分配原資を圧迫する可能性があります。

5年後の売却価格にも逆風になる可能性

さらに気になるのが、5年後の売却価格です。

一般的には金利が上がれば、不動産投資に求められる利回りにも上昇圧力がかかります。同じ収益を生み出す物件でも、「利回り3%でいい」という世界と「利回り5%は欲しい」という世界では、投資家が払える物件価格が変わります。

金利上昇
↓
不動産に求められる利回りの上昇
↓
不動産価格への下落圧力
↓
5年後の売却価格に影響

もちろん、この通りになると決まっているわけではありません。それでも「品川だから5年後も上がるでしょ」と単純には考えられなくなってきました。

一方、インフレ・賃料上昇・ホテル収益は追い風になり得る

金利上昇=不動産価格下落と決まっているわけではありません。今回の物件では足元でオフィス賃料が上昇しています。

ホテル部分は、ホテル運営利益に連動する完全変動賃料です。ホテル収益が伸びれば賃料の増加を取り込める可能性がある一方、宿泊需要や運営利益が悪化すれば賃料が減少するリスクもあります。

結局、金利がどこまで上がるのかと同時に、この物件が5年間でどれだけ収益を伸ばせるのかを見る必要があるということだと思います。

「4%+品川」だけで決めるほど単純ではなかった

最初に今回の案件を見たときは、想定利回り4%、品川、最低10万円。「これなら申し込もうかな」くらいの感覚でした。

でも調べてみると、

  • 4%すべてが会計上の利益ではない
  • 分配金には元本払戻金が含まれる
  • 最終的な結果には物件の売却価格も影響する
  • LTVは59.6%で、借入は日本円TIBOR基準の変動金利
  • 金利上昇は借入コストや不動産価格への逆風になり得る
  • 一方で東京オフィスの低空室率と賃料上昇はプラス材料
  • ホテル収益が伸びる可能性も、落ち込むリスクもある
  • 元本保証ではない

と思っていたよりずっと考えることがありました。

不思議なのは、ここまで調べても「じゃあやめよう」とはなっていないことです。むしろオルタナの案件を見るのが少し面白くなってきました。

締切まであと半日。まだ迷っています

今回の品川案件の仮申込期限は、2026年8月20日13時。あと数時間しかありません。

ここまで調べたなら10万円を申し込んで、実際に5年間追いかけてみたい気持ちもあります。

一方で、日本の金利がこれから上がっていく可能性を考えると、「5年間資金を拘束して想定利回り4%」をどう評価するか。まだ迷っています。

銀座ではせっかく申し込んだのに落選。今回は申し込む前から悩み続けています。果たして自分はいつになったらオルタナに投資できるのでしょうか(笑)。

オルタナは「利回り」より物件選びが面白いのかもしれない

今回調べていて、自分の中で一つ変わったことがあります。

これまでは3.1%、3.4%、4.0%、4.3%と、どうしても利回りから案件を見ていました。

でもオルタナは、案件によって裏付けとなる不動産が違います。それなら「利回りが何%か」だけではなく、「この不動産を数年間持ちたいと思えるか?」という視点で選ぶ方が、自分には合っているのかもしれません。

株を買うときに会社を調べるように、不動産について調べてから10万円を投資する。今回の記事を書くために調べていたはずが、むしろこの部分に面白さを感じ始めています。

口座を作ったからといって投資する必要はない

ちなみに自分は、オルタナの口座を作ってから何度も案件を見送っています。

  • 3.1%の案件を見送り
  • 銀座には申し込んだけれど落選
  • イオン大宮も見送り
  • 今回の品川もまだ検討中

口座開設=すぐ何かに投資しなければいけない、というわけではありません。

どんな不動産が出てくるのかを見ながら、「これは面白そう」と思える案件が出てきたときに検討する。自分は今のところ、そんな使い方をしています。

オルタナが気になっているけれど、いきなり10万円を入れるのは不安という人は、まずどんな案件があるのか確認するところからでもいいと思います。

三井物産グループのALTERNA(オルタナ)を見てみる

※口座開設や商品内容については公式サイトをご確認ください。投資商品には元本割れ等のリスクがあります。

まとめ|利回り4%だけでは判断できなかった

今回の品川案件。最初は「4%なら悪くない。しかも品川ならいいんじゃない?」くらいに考えていました。

ところが申し込む前に調べてみると、4%には元本払戻金が含まれている。そして本当の投資結果を見るには、運用中の分配+最後の物件売却まで考える必要があります。

さらにこの案件は、LTV59.6%で、日本円TIBORを基準とする変動金利の借入を利用する予定です。これから金利が上昇すれば、借入コストや5年後の不動産価格に影響する可能性があります。

一方、東京オフィスの低い空室率、賃料上昇、上場企業中心のテナント構成など、気になるプラス材料もあります。

だからこそ悩んでいます。申し込むか、見送るか。締切まであと1日、最後まで考えてみます。

そして今回申し込まなかったとしても、次にどんな不動産が出てくるのかは引き続きチェックしていくつもりです。

ALTERNA(オルタナ)で現在の案件を確認する

参照した公式情報


※本記事は筆者自身が投資を検討した過程を記録したものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。想定利回りは将来の運用成果を保証するものではなく、元本保証の商品でもありません。不動産価格、賃料、ホテル運営収益、金利等の変動によって損失が発生する可能性があります。数字の打ち間違いや情報が古い部分もあるかもしれません。実際に投資する際は、公式サイト、目論見書、契約締結前交付書面等の最新情報をご確認のうえ、ご自身で判断してください。

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