日経平均が上がっているのに、自分の高配当株や優待株はあまり上がらない。この記事は、その違和感をMSCI Japanと日経平均の仕組みから考えた学習記録です。
ただし、公開当時の記事は「海外投資家の売買比率が高い」ことから「海外資金の大半がMSCI連動で機械的に買う」へ話を進め、さらに半導体株主導の日経平均上昇まで一つの因果で説明していました。このつながりは確認できません。ここでは、確認できる仕組みと私の仮説を分けて整理し直します。
確認できる事実1:売買シェアは、買い越しや指数連動比率ではない
日本取引所グループの投資部門別売買状況では、海外投資家の売買金額・売買量を確認できます。ただし、売買代金の比率が高いことは、海外投資家が買い越していることも、取引の多くがMSCI連動であることも意味しません。
海外投資家には、指数連動ファンドだけでなく、個別銘柄を選ぶアクティブ運用、短期売買、先物を使う投資家なども含まれます。
確認できる事実2:MSCI Japanは浮動株調整時価総額を重視する
MSCIの標準指数は、浮動株調整時価総額、流動性、規模などの基準で構成されます。MSCI Japanへの連動を目指すファンドでは、構成銘柄と比率に沿った売買が発生します。
ただし、MSCI Japanに入っているから常に買われるわけではありません。ファンドへの資金流入・流出、指数の定期見直し、株価変動による比率調整などで売買の方向は変わります。
確認できる事実3:日経平均は調整株価加重型
日経平均は「225銘柄の株価をそのまま足して単純に割る指数」ではありません。株式分割などを調整する価格調整係数と除数を使う、調整株価加重型の指数です。
それでも、時価総額加重型のTOPIXなどと比べると、一部の値がさ株の値動きが指数へ大きく影響しやすい特徴があります。日経平均の上昇率と、自分の保有株の上昇率が違うこと自体は不思議ではありません。
MSCI資金が半導体主導の上昇を作った、とは断定できない
MSCI Japan連動資金が流入すれば、原則として構成比率に応じた売買が発生します。しかし、そのことだけで、東京エレクトロンやアドバンテストなどが日経平均を押し上げた原因を説明することはできません。
半導体株の上昇には、業績見通し、AI投資への期待、需給、為替、個別ニュースなど複数の要因があります。「海外売買比率→MSCIパッシブ→半導体株上昇」という一本の因果は、当時の私の仮説であり、確認できた事実ではありません。
自分の保有株が上がらない理由を確認する順番
- 日経平均ではなく、TOPIXや同業種指数とも比較する
- 決算、配当方針、需給など、その会社固有の材料を確認する
- MSCI JapanやTOPIXなど、どの指数に採用されているかを確認する
- 指数採用だけで値動きを説明せず、仮説として記録する
一次資料
今回の学びは、指数の仕組みを知ること以上に、値動きへ一つの原因を付けすぎないことでした。今後は「確認できた事実」と「私の推測」を分けて記録します。
本記事は指数の仕組みを学び直した記録であり、特定銘柄や指数商品の売買を勧めるものではありません。



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